2020.07.21

スタイリストブログ

Seta   ~二人をつなぐ赤い糸~

 

 

フィレンツェ出身のジョルジョは35歳

若い頃から興味のあったワインの世界へと足を踏み込み

今ではイタリアでも有名なソムリエへと成長した

 

今日もキリリとした表情でレストランで

お料理と最高のワインのマリアージュを考えていた

夏場はやはり海方面での仕事が多くなる

胸から掛けられたソムリエのシンボルでもある

銀製の小皿(Tastevin  タストヴァン)がキラリと輝いていた

 

 

日が暮れた海辺のレストラン

彼が今日担当するのは若い弁護士チームのお誕生日会

21時すぎに続々と若き弁護士達は美しい女性をエスコートして現れた。

イタリアでは夕食にはほぼカップルで招待されることが多い

 

『Buona sera !』こんばんは!

とジョルジョは彼らに挨拶をした

すべての人が到着した時に冷えたシャンパンが注がれた

Auguri—Buon compleanno!(お誕生日おめでとう)

とワイングラスの重なり合う音と共に晩餐が始まった

 

タイミングを見ながらジョルジョはワインをサーブしていく

海の幸のアンティパスト

そしてプリモピアット(パスタ料理)は手長エビのスパゲッティ

セコンドには大きなお魚のアロースト

 

今日は白ワインそしてピンク色のロゼを用意していた

最高のタイミングとお料理とのコンビネーションで運ばれる

ワインに若き弁護士たちは舌鼓を打っていた

 

ジョルジョがその中の一人の女性にワインをサーブした際に

『Posso fare una domanda personale? 』

(個人的なことなんだけどひとつ質問してもいいかしら?)

 

ジョルジョは何か不備でもあったのか?と心配そうな顔をして

『Mi dica ….』なんでしょうか?と返事をすると

 

その彼女は・・・

『ずーーっと貴方の左薬指に輝くリングがあまりにも美しくて!』

 

ジョルジョは思いもよらぬ質問に少し驚きを見せリングを見ながら

『僕はフィレンツェの出身でこのマリッジリングは

フィレンツェの職人が手彫りを施したセータ彫と呼ばれるものなんです』

 

 

彼が手を動かす度にそのセータ(絹)の輝きは波打つように

滑らかに光を放っていた

 

海辺のお誕生会が終了したのは午前0時を過ぎていた

若き弁護士達が席を後にしたあと・・・・

ジョルジョは月の光の下で左手を動かして

そこに輝くシルクの波をジッと見つめていた

 

 

Seta 

~Un filo rosso unisce il nostro destino~

【絹】

~二人をつなぐ赤い糸~