2019.12.31

スタイリストブログ

Tie up the curtain with a tassel to see a dream again.

 

こんにちは。銀座店のAngelaです。

今年もたくさんの方とお話してお世話になり、生き延びた1年でした。

20歳をすぎると恐ろしく1年がすぎるのが早いよと10代の頃は言われたものですが、確かに、鬼のように1年が早いです。

1年は早いですが、5年、10年とまとまて考えると現在からでは、程遠く感じるのは、またおかしな話ですね。

そんな「年数」ですが、先日お披露目となったタッセルネックレスチャームはそもそもの芥子のパールに穴を開けるのに時間がかかるというから、驚きですね。

Tassel 【タッセル】

〜夢の続きは カーテンの向こう側〜

 

パールには限りませんが、個人的にタッセルがとにかく好きです(突然の告白)。

海外だとよく目にするカーテンタッセル。またピアスなどでもここ最近よくあるタッセル。

もとから収集癖があるので、集めないようにはしていますが、そこかしこにいろいろなタッセルがあるので、収集癖が刺激されます。

こちらのタッセル、ショーケースの中の物をご覧になった方は多いかと思いますが、本題は、手に取った時です。

光に照らされて輝いているパールの、思いの外ひんやりとした温度。

小さな、ごく僅かなお互いの囁き声を発しながら、手のひらの上からしなやかに滑り落ちていく姿。

そしてグラデーションになっている粒の大きさに比例して揺れる優雅さ。

可愛さと優雅さと上品さがここまで美しく融合した物体をわたしは初めて見ました。

ちなみに芥子パールの穴を開ける技術は日本にはなく、インドにあるそうです。

ただ、インドでも、その技術を持った人が年々少なくなり、また、この穴を開けるためのニードルを作る職人さんもいなくなっているそうです。

人と技術か消えていきかけている、だからこそで、穴を開けるのに時間がかかるそうです。

わたしたちは美しい物を見ると「美しい」と感じます。「素晴らしい」とか「凄い」とか思ったりもします。

けれどその背景を考えることは極めて少ないです。「これを作った人は凄いし、技術も素晴らしい」と思うことはあっても。

それは悪いことではないですし、本当に感嘆していると、思考回路はショートします。

けれど、その感嘆の先をもっとよく目を凝らして見てみると、様々な小さな問題たちが山とならずに隠れています。

この芥子パールの穴開けの一連の技術もそうですが、日本でも、呉服に関する技術もその一因だと思っています。

わたしの実家には、桐箪笥が1つ、和室に鎮座しています。

わたしが初めて着物を買ってもらったのは18歳の時でした。

18歳になる年の成人式が終わった直後、母と一緒にたまたま呉服屋さんへ入り、絞りの振袖を買ってもらいました(さすがにもう着れないですけども😩)。

大学時代には、初めて反物から浴衣を作ってもらいました。

留学から帰ってきた時には、母の辻が花の下敷きになっていた、これまた母の大昔に買った江戸更紗をお直しに出してお下がりでもらいました。

江戸更紗をお直しに出した際に、さらっと、染め師や絵師も少なくなってきているけれど、江戸更紗などの絵をうまく縫い合わせて裁縫する人も少なくなってきいるんですよと聞きました。

時代は進んで、効率よく、そして便利になっていきます。

そして人々が「きれい」「欲しい」と思う物も共に移ろい行きます。

取捨選択と文化が変わっていくことは仕方のないことですが、少し悲しい気持ちになります。

そんなことを思いながら、タッセルチャームを眺めていると、美しさの中に儚さを感じます。

今日、眠りについて、明日、目が覚めてタッセルを外し、カーテンを引いた時、来年になります。

新たな年は、新たな周知のイベントが待っています。

回る地球も変わっていく文化も、少なくなっていく様々な伝統的な技術も、個々人ではどうしようもできないですが、自分自身が広げた腕の範囲ならきっと楽しくできるはずです。

みんながそうしたら、きっと、カーテンの向こうは地続きの夢になりそうです。

良いお年を…。

 

Photo 01

右:Tassel ¥1,000,000+tax

左:Tassel ¥600,000+tax