2019.06.21

宝石鑑定士ブログ

宝石小話 パール新作ご紹介

 

6月21日現在、今年は近畿・中国地方のみが何故か梅雨入りしていないという不思議な初夏を迎えています。

関東や東北などが5~11日ころに梅雨入りしているのですから10日~2週間も遅れていることになりますね。記録的な遅さになるのだとか。
日中はさすがに暑さがありますが、ここ神戸では朝夕はまだ快適な気候だと思います。

さて、6月は真珠の月でもあります。

普段は真珠(パール)とシンプルに呼んでいますが、正式には養殖真珠(カルチャードパール)と呼ばなくてはなりません。
しかし流通している真珠のほとんどが事実上養殖真珠になりますので、ここ日本では習慣的に修飾語を何もつけない「真珠 パール」は自動的に養殖真珠を意味し、逆に希少性の高い天然の真珠の方に「天然」という修飾語をつけて呼んでいます。

 

数千年前、偶然にも食用に採取された貝の中から神秘的な光沢ある真珠が発見されて以来、人々は真珠の美しさに魅了されてきました。
人魚の涙、月の雫などと言われますが、古代ローマでは神や天使の涙として崇められてきたのだとか。

かつて王侯貴族のごく限られた特権階級の人たちのみ所有することを許された真珠は天然真珠、現在誰でも手に入れることができるようになった真珠はもちろん養殖真珠です。

真珠養殖の技術は100年以上前(明治時代)に日本で確立され、世界(南洋、タヒチ)へと広がっていったのです。

 

海水産貝から採取される真珠は主に3つの種類があります。
アコヤ真珠(アコヤ貝)
南洋真珠(シロチョウ貝)
タヒチ真珠(クロチョウ貝)

貝の種類及び生息する海域が異なる為、真珠の色やサイズレンジに違いがあり、それぞれの特徴・魅力となっています。

 

真珠としての美しさを持つ真珠層の構造を簡単に説明しますと、レンガ塀のような構造をしていて、炭酸カルシウムの薄い結晶(=レンガ)をコンキオリンという硬タンパク質成分がセメントのように接着して繋いでいるのです。
この炭酸カルシウムの結晶はアラゴナイト(あられ石)と呼ばれるもので、その厚さはアコヤ真珠では0.4マイクロメートル(ミクロン)といわれ、0.1ミリの厚さの中に250枚ほど層になっていることになります。(1マイクロメートルは1000分の1ミリ)

 

アラゴナイト結晶は基本的にほぼ無色ですので、真珠の色というのはセメント役のコンキオリンの色になります。
以前にもお伝えしましたが、パールの地色(ボディーカラー)にさらに「オーバートーン」と呼ばれる真珠層の多層構造での光の干渉色(ピンク、グリーン、ブルー、パープル等)の色光が観察されることもあります。地色にかぶさって見えるのでオーバートーンと呼ばれるのですが、
私たちは両方の要素を同時に見て色を感じています。

アコヤ真珠ではよく「ピンクの真珠」と言われますが、正確にはピンクの干渉色を持つ白い真珠なのです。

カラー範囲は前述のコンキオリンによって決まります。
アコヤ:白、クリーム、黄色
南洋: 白、シルバー、クリーム、黄色、金色
タヒチ: 黒~ライトグレー、シルバー、ブラウン、ブラック、グレーが基調ながらグリーン、ブルー、パープルなどもあります(タヒチは多彩です)

 

カラー以外で、真珠の美しさ、価値に繋がる重要な要素は次の2つです。

テリ(Luster)、表面特徴

テリ(輝き、光沢)
表面からの光の反射だけなく何層にも及ぶ真珠層からの反射(独特の光沢を真珠光沢と言います)の強さと映り込む光や像の鮮明さの程度で評価されます。

真珠層の厚さと質(専門用語で「巻き」と言います)により決まります。クアラントットでは、エクセレント、ベリーグッドのものを選んでいます。

*異なる貝種の真珠のテリを比較しても意味がありません。通常アコヤ真珠が最も強く、南洋真珠では幾分優しい光沢感となります。
この違いの原因は、真珠層のアラゴナイト結晶の厚さや大きさが、成長する海域の海水温の差によって異なる為です。
真珠層自体の厚さ、真珠の直径の違いも光沢感に影響しています。

表面特徴 
よくキズと呼ばれていますが、本当の意味ではキズではありません。
貝内で真珠が成長していく過程で様々な不規則性が出来てしまうものです。
不定形なでっぱり、こぶ、小さいくぼみやへこみなどです。
これらは「えくぼ」と呼ばれ、イミテーションでない本物の真珠の証でもあるのですが、
それら特徴が少ないほど、小さいほど良質(希少性が高い)とされるのです。

テリの良い厚巻きの真珠を求めれば、表面特徴や変形が増えます。
表面特徴の無さ(完璧性)を求めていても、薄巻きになってしまうのではいけません。
クアラントットでは、極限まで厳しく表面特徴をチェックしています。

 

今回ご紹介する海底の城リングたち、メインの南洋、タヒチ真珠も、アコヤベビーパールも選りすぐりの珠のみを使用しています。

Castello Marinoカステッロ マリーノ 海底の城 リング タヒチ真珠

 

Castello Marinoカステッロ マリーノ 海底の城 リング 南洋真珠

 

Castello Marinoカステッロ マリーノ 海底の城 リング タヒチ真珠「ピスタチオ」

*「ピスタチオ」はイエローイッシュグリーン~グリーニッシュイエローのタヒチ真珠を表す業界用語です。

 

「ケシ真珠」のことを天然と呼ぶ方がおられますがこれは正確ではありません。
元々、養殖真珠の母貝の中に出来る芥子粒のように小さい、核を持たない真珠のことを芥子珠(けしだま)と呼んでいました。

核が母貝から脱落してしまったり、細胞が分裂して真珠を育むパールサック(真珠袋)が別にできてしまい、その結果「養殖の現場で偶然にできてしまった核を持たない真珠」は養殖真珠の副産物として、その大きさに限らずKESHI PEARL ケシ真珠と呼ばれています。核を持たないので大抵はユニークな変形真珠です。

Perla Mia ピルラ・ミア【私のパール】 南洋 ケシ ゴールド リング

 

Perla Mia ピルラ・ミア【私のパール】 タヒチ ケシ リング

 

魅力あふれるパール達を、是非店頭にてご覧になってください。

 

 

 

コーディネート例は
クアラントット スタイリスト インスタグラム
https://www.instagram.com/quarantotto_stylist/

クアラントットインスタグラム
https://www.instagram.com/quarantotto/

 

GIA GG(米国宝石学会 宝石学修了者)
クアラントット宝石鑑定士
宝石学講座元講師
山本ウィリアム登喜生 Tokio WILLIAM Yamamoto