2019.04.03

スタイリストブログ

Balcone – 彼女の記憶

 

ある日の朝、杖をついたご年配のご婦人が

クアラントットの扉を開けた

 

『Buongiorno!  シニョーラ』と挨拶をすると

英語の発音交じりでボンジョルノ!と返事をしてくれた

 

ジュエリーの説明をすると

片言のイタリア語で優しく答える彼女

私は『イタリア語を勉強されているのですか?』と聞くと

昔々ね!と彼女は答え

私の祖父母はイタリア人なのよ!でもイタリアに来たのは今回が2回目

 

 

祖父母様が住んでいたのは南イタリア、ナポリの海の近くだったらしい

幼少の頃に祖父が話すイタリア語は音楽のように聞こえたわ!と語る

そんな彼女が足を止め見つめたリング

彼女はナポリの海をこんなバルコニーから見た記憶があると….

イタリアで彼女が感じているこの風や香りそして景色は

彼女の遠い遠い微かな記憶に色や音を奏でて蘇っているのであろう

 

『Arrivederci! 』と軽やかに挨拶をして彼女はお店を後にした

ほんの少しの時間しか彼女と話しをしていないのに

なぜか彼女の体に流れるラテンの熱い情熱を感じた

きっとこれがDNAというものであろう….

 

 

BALCONE

~ 迎えにきて今夜月がでていたら ~